本建て正藍染め~Holy Blue

透明感のあるブルー。
空の水色、海の青、そして夕闇の藍色。
甕によって、重ね染めすることで、様々な青に染め分けられる。
とても美しい Holy Blue(きよらかな青)

栃木県佐野市の本建て正藍染め工房 紺邑(こんゆう)さんで2019年6月8日~15日に開催された本建て講習会に参加しました。

紺邑さんのFBはこちら→https://www.facebook.com/profile.php?id=100057378433061

本建てとは、蓼藍(タデアイ)草の葉を発酵させたすくも、堅木の灰でとった灰汁、微生物の力だけで発酵させて藍を建てる室町時代から伝わる日本古来の本建て正藍染めです。
染め織りが好きで、藍染めも体験してきた私ですが、正藍染めに出会って、その異質さに心を奪われてしまいました。

異質さとは
『透明感のある青・色うつりしない・藍の薬効が生きている』ことです。
『黒を混ぜた青・色落ちする・ケミカル臭がする』イメージの従来の藍染めとはまったく別物だったからです。

Holy Blue(きよらかな青)

正藍染めの何よりもの魅力は透明感のあるブルー。
薄い水色から濃い藍色まで、甕によって、重ね染める回数によって、様々な青に染め分けること可能です。正藍染めは最低でも5回の下染めをして、それから好みの色になるまで本染めを繰り返します。
1回の工程でほぼ1時間。それを下染めで最低でも5回繰り返します。結構重労働です。

色移りせず、あか抜ける青

藍甕からとり出して、水ですすいで発色させる瞬間から、白物と一緒にもみ洗いしても、色落ち・色移りがほとんどなく、繰り返しの洗濯や天日干しによって、どんどん色があか抜けて(灰汁・抜ける)綺麗になるのも魅力です。お日様があく抜きしてくれますので、晴れた日でないと満足に染めることができません。なかなか厄介な染め仕事です(笑)。

藍の薬効

化学薬品(ハイドロサルファイトなど)や石灰を使っていませんので、藍というハーブの持つ様々な薬効(殺菌・防臭・紫外線カット・虫よけなど)が損なわれることもありません。赤ちゃんが口の中にいれても、ショーツなど、経皮吸収が一番高い素肌に触れるものを染めても安心というのはとても素晴らしいことですね。

静謐な藍染め時間

建てたばかりの若い藍甕は、発酵のしるしのアンモニア臭がありますが、発酵が落ち着いてくると、いつまでも嗅いでいたくなる、藍特有の鎮静作用のあるやわらかい香りになります。嫌気性の微生物を傷めないように、液面を波立てないよう、液に手を沈めて、手指の感覚だけを頼りに染める時間はとても静謐で、頭が空っぽになり、心まで鎮まります。瞑想のようです。

そんな藍染めがあることを皆様に知っていただきたく、正藍染め体験会をNaO House ホリーガーデンで主催することにいたしました。

初めての正藍染め ~80番手コットンバンダナ~

完全ご予約制です。無地または折り紙染めのどちらかをお選びください。
 正藍染めについてのお話 
 1 水洗いと灰汁浸漬 
 2 正藍染め     
 3 すすぎ洗い    
 ※ ①~③の工程を5回繰り返す。
 4 天日干し
【所要時間】3時間(午前の会10時~13時/午後の会14時~17時)
【定  員】午前2名・午後2名
【料  金】6000円(税込み)
薄手のバンダナ(55cm×57cm)の料金が含まれます。
無地染めのみ、2枚まで染めていただくことができます。
1枚の追加料金は2000円(税込み)となります。

薄水色に染めた折り紙染めのバンダナ

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2回目からの正藍染め

初めての正藍染め~バンダナ~を体験したかたが対象です。
なぜそういう制約をするかというと、本建て藍甕には嫌気性の微生物が生きていて、染め液の中に酸素を入れると弱ってしまいます。最初から大きさのあるもの、染めの難しいものにチャレンジすると、どうしても空気を巻き込んでしまいます。まずはバンダナで『基本理論と技術=約束事』を学んで、嫌気性の微生物に優しい藍染めをすることで、藍の寿命を守ることができ、ひとつの藍甕で2年くらいは染めることが可能となります。
染める素材(麻・綿)・染めたい青の濃さによって、かかる時間と料金を計算いたします。あらかじめ、何を染めたいか、素材の種類、重量(g)などをメールにてお知らせください。見積もりをさせていただきます。

【メール】
宛先 hollysgentleteatime@gmail.com
NaO House ホリーガーデン 東雪子

【料 金】基本料金は水道光熱費・アテンド(指導)料が含まれます。
染め基本料金 下染め5回 5,000円(税込み)
       本染め2回 3,000円(税込み)
※ 別途に、色の濃さと被染物重量で計算した染め料金がかかります。
  薄い青~青 30円/g(税込み)
  青     40円/g
  藍     50円/g
  染めあがりの色にあわせて、料金を計算させていただきます。
※ 染めるものはあらかじめ精錬してお持ちください。精錬の仕方は個別にお伝えします。 
  当日一緒に精錬する場合は、1時間料金として1,500円がかかります。
※ 下染めは1日で終わらないことがほとんどです。2日かかることを予定してください。
※ 藍甕の当日のコンディションで染められる濃さが変わりますことをご了承ください。
※ 雨天の場合は日程の変更をお勧めします。
※ 植物繊維(木綿・麻)のみ、承ります。
※ 径50センチ×深さ50センチの藍甕の中で染められるものをお持ちください。      
  迷う場合はご相談ください。 

<見積もり例>
コットンストール 50×190cm/86g 
下染め5回+本染め2回…8,000円
86g×仕上がり青…3,440円
精錬1時間…1,500円
合計12,940円

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